糸紡ぎ 補足説明

自然観察実験塾    NPO科学教育研究所    ℡:090 9699 0938  
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2018-11-23

参考まで

篠→糸紡ぎ→綛(かせ)→縒(より)どめ


糸紡ぎ:綿の繊維の一本一本はとても細く、弱く、すぐに切れてしまう。この弱い繊維を細いながら束にすることで少しは強度が生まれるが、それでも引っ張られると繊維と繊維がすべるように離れていってしまう。しかし、この細い繊維に”縒(より)”をかけると、その強度が格段に増す。

1本の弓より3本の弓の例えよりも、束になるだけでなく”縒(より)”による強度の増加は非常に有効だ。そのため、細い綿の繊維に縒りをかけて糸にする。この重要な過程の体験を行ったわけで、この体験が十分でなかった方々は、再度挑戦してみていただきたい。縒りのかかり具合は、スピンドルと紡いでいる途中の糸を少し緩めて、縒りの”もどり”で生じる”もつれ”のような糸の飛び出し具合を見ながら縒りの過不足判断をするのが目安になるでしょう。


綛(かせ):紡いだ糸はそのまま放置しておくと、”縒り”を戻そうとする力が働き糸の縒りが戻ってまっすぐな糸として保存ができません。そのため、縒った糸が元に戻らないようにして保存する必要が出てきます。その方法として、紡いだ糸を綛繰機(かせくりき)にかけます。綛繰機の代わりに、適当なサイズの発泡スチロール箱でも紙の箱でも単なるダンボールの紙(厚手の紙)でも使用できます。紡いだままの糸をそのまま縒りをかけるのでもなく戻すのでもないように巻き取ります。巻き取った束は綛(かせ)糸と呼ばれます。その綛糸を片手で持ってぶら下げるとどちらかに回っているように見えると思います。それをそのまま、綛糸の両端を捻れの方向に5−6回捻った後、一方を他方の輪っかに入れ込んだまま保存します。そうすることで、それ以上の縒りの戻りを防ぎます。さらに不均一にかかっている縒りを時間をかけて平均化することにも役立ちます。


縒(より)どめ:綛糸(かせいと)を鍋で煮ます。綛が浸かる程度の重曹水(300mlの水に5g(小さじ一杯)の重曹を溶かしたもの)を沸騰させ、約30分ほど煮ます(弱火で)。粗熱が取れたら、2、3度振り洗いをし、軽く絞ってさばいて竿に干して乾かす。乾いたら厚紙に巻き取る。この縒どめの状態で、次の織りの体験に臨みます。

糸紡ぎの開始     KeyWord:縒りをかける

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スピンドルの鉤に綿糸をからませ、縒りをかけ、伸していく初期段階。

【注意】鉤を回転させて縒りを作ることが大事で、鉤の周りに綿を巻き付けていくようにすると、縒りがかからないため糸にならない。

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スピンドルの2倍の長さの糸を紡いだら、左のようにスピンドルをぶら下げるようにして、回転させてさらに縒りをかける。スピンドルをぶら下げることで糸に荷重がかかり均一な縒りをかけることができる。

【注意】綿にかかった縒りは、そのまま放置するとすぐによりが戻ってしまう!これを防ぐために、必ずよった糸との両端を固定することを忘れないように。固定する方法としては、縒った糸をスピンドルに巻きつけ、さらにその先端を鉤ぶぶに巻き付け固定するとか、洗濯バサミで固定するなど工夫して、縒りが戻らないようにする。

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2018-11-23


補足説明  スピンドル(紡ぎ独楽)を使って縒りをかけて糸を紡ぐ

スピンドルへの巻きとり  KeyWord:糸の伸長

スピンドルの置き台に何が良い?  KeyWord:スームズな回転と安定

スピンドルをどんな台の上で使用するのが良いかは、ひとりひとり違うでしょう。色々と試してみてください。講師の先生はお茶碗の高台内(こうだいうち)が使いやすかったようです。それなりの安定感もあります。

糸紡ぎが進むと、次の伸長段階に進む前にスピンドルの軸に糸を巻き取っていきます。始めの糸の先端の絡ませ方の一例を示しています。先端が軸に固着するように、粘着テープで留めても良いと思います。最初の分を巻き取ると、2回目の糸を紡いで伸していきます。そして、巻き取る前にはスピンドルをぶら下げて、10回程度回転させ縒りをかけるのを忘れないように!

この左の写真ほどの糸を紡いだら、綛繰りをして綛糸を作る工程に入ります。

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綛糸づくり   KeyWord:縒りを戻さず巻き取る

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糸紡ぎが進みスピンドルに糸を巻き取ると、その糸を綛繰機(かせくりき)に移して綛糸を作ります。綛繰機は、いろんなものを利用して作ることができます。図1の例は、ペーパータオルスタンドと発泡スチロールの箱を組み合わせたものです。

次に、図2と3の様に、スピンドルの糸の末端(⭕️)を綛繰機の角近くにテープで仮止めします。その後スピンドルを横に置いた状態でそのまま綛繰機に巻き取ります(図4、5)。

【注意】どスピンドルは横にして糸を巻き取ることが重要で、スピンドルが縦になっていると縒りが戻ってしまい、糸が切れやすくなります。

️綛繰機に糸を巻き終わると、その終端()を別の糸(ここでは緑の毛糸)と結びます(図1、2)。次に、その別の糸と綛繰機に巻き始めた端(⭕️)を結び、糸の縒りが戻らない様にします(図2、3)。

次に、糸の絡まりやもつれを防ぐために、2、3の束を作ります。ここでは2つの束を作っています。具体的な方法は図4、5、6を見てください。4、5は表、6は裏面です。

綛繰機

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️綛繰機から取り外した糸が綛糸(かせいと)(図1)。この両端の輪っかに両手の人差し指を差し込み(図2では色違いのボールペンで示した)、縒りの方向に糸どうしが密になるまで捻る(図3)。一方の輪っかを縒りに従って他方の輪っかの中に入れ込み(図4)、指を抜くと図5、6のような綛糸になる。

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縒りどめ   KeyWord:縒りが戻りにくい糸にする

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️上の様に作製した綛糸を鍋で煮て(下の参考に記載)、粗熱が取れたら、ふり洗いなどをした後竿に干して乾かします。糸を伸ばすためにここではペットボトルに水を入れたものを用いました。

️糸の準備完了。この糸を用いて、次回は「織り」に挑戦します。

各自、木綿糸の太糸(25g/60mあたりの)を持参しても結構です。

3、4色の違った色で作るのも楽しみです。

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2018-11-25

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