未来の繊維

ワタの栽培と糸紡ぎミニクラフト体験20181014参照

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動物繊維に未来はあるか?

昆虫繊維として、従来カイコガ科の昆虫が用いられて来た。次に期待できる繊維はあるのか?


他に糸を吐く生物は?

オオミノガの作り出す糸は

単位面積当たりの強度が、ジョロウグモの2.5倍、鋼鉄の12.5倍の強さであることがわかり、またまた研究者の挑戦が始まりました。

2022-02-19

蜘蛛(クモ)の糸は強そうだが、糸を作るためには多くの糸を大量に作るクモの方が利用するには便利そうだ。そのためには、これらのクモの中ではジョロウグモが期待できる。

実際に、たくさんのジョロウグモから糸を集め、織りあげた布が下の写真。クモの模様まで織り込んで、女性用のドレスが作られた。細くて長くて強靭な糸、素晴らしい光沢。しかし、問題は大量に糸を入手することの難しさだ。

これを放置する研究者はいない。また、研究者はなかなか諦めない。

このまばゆいばかりの金色の光沢と糸の強さはスチール(鋼鉄)の5倍という特徴があるクモの糸(spider silkを諦めるわけにはいきません。

ここで英語のsilkとは、一般に昆虫の幼虫が出す糸(タンパク質繊維)のことを意味します。広義には、カイコの糸を指します。

クモの糸を大量に入手するには、クモの飼育が必要になります。でも、クモは離れ離れに棲み広い空間を必要とするため、飼育は絶望的です。そこで、諦めない研究者は、蜘蛛の糸を合成しようと考えました。

微生物にクモのタンパク質を作らせることができ、量産化の目処はつきましたが、次の大きな問題はコストとの戦いです。微生物の培養で、薬程度なら可能かもしれませんが、衣類等の繊維となるとその量が莫大です。非常に高価な繊維になってしまいます。そこで…、クモ以外の強い糸を作る虫探しの結果・・・

クモの糸で超高級繊維作りは達成できたか!?と思いきや、同じSILK(昆虫の作る繊維)の中で、最強の繊維が見つかって来ました。なんと、なんと。それは、

その後、2018年以降、これらの研究の成果が出始めているようです。

興和と農研機構が“昆虫界最強”のミノムシの糸の工業化へ

ミノムシを人工繁殖・大量飼育して、産業用に糸をとる方法も開発


オオミノガの糸の太さは0.01mm(日本人の髪の毛が0.08mm程度)。


オオミノガ由来の強い糸が作られているようです。

参考:繊維の太さ

ポリエステル  0.001 - 0.01mm

          0.015 - 0.05 mm

綿          0.012 - 0.018mm

          0.008 - 0.05 mm

ウール     綿の約1.7倍太い 0.02 - 0.03

2022-02-20 (Sun) ひょうご環境体験館 ワタのミニクラフト教室